オーディオ
時を越えて響きあう、音と魂
大村 圭子
音楽の軌跡
大村圭子は、歴史的背景に根ざした鍵盤芸術の演奏家・教育者として、
音楽と文化の多領域にわたって国際的に活動を続けている。
大阪に生まれ、ドイツ・ミュンヘン音楽演劇大学にてクラウス・シルデにピアノを師事し、音楽教育学課程を修了。
Diplom-Musiklehrer(音楽教育ディプロム)を取得し、この学位を得た最初の日本人となった。
帰国後はヤマハ音楽振興会の英才教育プログラムにて教鞭をとり、全国各地でピアノリサイタルを開催。
その後、2006年よりワイマール・フランツ・リスト音楽大学にて音楽研鑽を再開。
ゲルリンデ・オット(ピアノ)、ベルンハルト・クラップロット(チェンバロ、クラヴィコード、通奏低音)、ステファン・マイおよびゲオルク・クリストフ・ビラー(オーケストラアカデミー)、ミドリ・ザイラー(室内楽)らに師事し、チェンバロ演奏ディプロムを取得。古楽への探究を深める。
さらにリンツのアントン・ブルックナー音楽大学にて、
チェンバロおよびフォルテピアノ演奏、教育の4分野で修士号を取得。
主な師には、ヴォルフガング・ブルンナー(フォルテピアノ)、
イェルク・ハルベック(チェンバロ・古楽・オーケストラ・オペラ)、
ブレット・レイトン(チェンバロ、通奏低音)、
ルドルフ・ユングヴィルト(オルガン)がいる。
これまでにボブ・ファン・アスペレン、マーク・クロール、デイヴィッド・シェマー、ピエール・アンタイ、ルイジ・フェルディナンド・タリアヴィーニ、バルト・ファン・オールトら国際的名演奏家のマスタークラスにも多数参加し、歴史的解釈と表現力を磨いてきた。
2012年から2015年まで、オーストリア・クレムゼック城に居住。
同城内のヨーロッパ屈指の歴史的鍵盤楽器コレクションを有するクレムゼック城楽器博物館にて、学芸員補佐として研究・演奏・展示企画に携わる。
18〜20世紀のオリジナル楽器による演奏、レクチャーコンサート、教育プログラム、子ども向けデモンストレーションなども行った。
ヴァージナル、スピネット、クラヴィコード、チェンバロ、オルガン、フォルテピアノ、現代ピアノなど、時代に応じた楽器を用い、歴史的な音楽観と現代的感性を併せ持った演奏活動を展開。
レパートリーはルネサンスから現代まで多岐にわたり、常に探究心と詩的な解釈を携えて作品と向き合っている。